分解洗浄って何をする?洗剤・高圧洗浄・乾燥まで“作業の全工程”を図解

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エアコンクリーニングの見積もりでよく目にする「分解洗浄」。
言葉は知っていても、「何を分解するの?」「普通の掃除と何が違うの?」と思う方は多いはずです。
この記事では、**分解洗浄の全工程(洗剤・高圧洗浄・乾燥)**を、現場の実際の流れに沿って解説します。内部構造を理解すると、なぜ“プロでしかできない作業”なのかがよくわかります。

目次

  • 分解洗浄とは?通常清掃との違い

  • 作業の全工程(図解イメージ)

  • 使用する洗剤と高圧洗浄の仕組み

  • 乾燥・組み立て・最終チェック

  • 分解洗浄で得られる3つの効果

  • まとめ

分解洗浄とは?通常清掃との違い

「分解洗浄」とは、エアコンの外装や内部パーツを外して、奥まで洗える状態にしてから高圧洗浄する方法です。

家庭でできるフィルター掃除は「表面だけの清掃」。一方で分解洗浄は、熱交換器・送風ファン・ドレンパン・電装部周辺までアクセスし、内部のカビやホコリを根こそぎ除去します。

作業方法 掃除できる範囲 効果 対応者
自分で掃除 フィルター・吹き出し口周辺 表面のホコリ除去 一般家庭
分解洗浄(プロ) 熱交換器・送風ファン・ドレンパン カビ・ニオイ・風量回復 専門業者

つまり分解洗浄は、内部構造を理解した専門技術がなければ行えない作業です。

作業の全工程(図解イメージ)

以下は「壁掛けエアコン」の一般的な分解洗浄の流れです。
※枠線ボックスのASCIIアートは使わず、テキストだけで説明しています。

① 動作確認・分解

  • 運転チェック → 電源OFF → ブレーカー位置を確認。

  • 壁・床・家具をシートで養生し、電装部に防水カバー。

  • 前面パネル/フィルター/ルーバーを外す。

  • この時点で露出する部位:熱交換器・送風ファン・電装部。

② 洗剤の塗布

  • 専用洗剤(中性〜弱アルカリ)を均一に噴霧し、カビ・油分・ヤニを浮かせる前処理

  • 電装・センサーは避けて塗布、数分置く。

③ 高圧洗浄

  • 専用ポンプで温水または水をフィンの向きに沿って噴射し、奥の汚れを物理的に押し流す。

  • 送風ファンの羽根の裏にも角度を変えて当て、付着層をはがす。

  • 洗浄後の黒い排水(カビ・油分・ホコリ)はポリタンクに回収。

④ すすぎ・中和処理

  • 十分な水量で洗剤分を流し、pHを中性域へ戻す

  • 金属腐食やニオイ戻りを防ぐため、排水が透明になるまで徹底。

⑤ 乾燥・防カビ仕上げ

  • 送風または温風で内部を完全乾燥

  • 必要に応じて素材適合の防カビ処理。

⑥ 組み立て・動作確認

  • 分解部品を正確に復旧。

  • **チェック項目:**風量/冷暖房の立ち上がり/排水の流れ/通電エラーや異音の有無。問題がなければ完了。

使用する洗剤と高圧洗浄の仕組み

洗剤の種類

  • 中性洗剤: 一般的。アルミ・樹脂を傷めにくい。

  • 弱アルカリ性洗剤: 油煙・ヤニが強いケースに併用。

  • 酸性洗剤: 水垢・カルキに限定使用(素材適合が前提)。

高圧洗浄の水圧

  • 家庭の水圧: 約0.1〜0.3MPa

  • プロ用高圧機: 約1.0MPa前後(機種による)
    細い水流をフィンの隙間方向に通すことで、目詰まりを“内側から外へ”押し出し、ファン裏の付着層も切り離せます。DIYでは再現が難しい部分です。

乾燥・組み立て・最終チェック

乾燥不足は再カビ化・漏電リスク、組み戻しのズレは水漏れ・異音の原因。
最終点検では、(1)冷暖房の立ち上がり (2)風量回復 (3)ドレン排水 (4)通電・エラー表示を確認します。

分解洗浄で得られる3つの効果

  1. 風量回復(約20〜30%UPの体感目安)
     詰まりが解消し、風の通り道が開通。涼しさ・暖かさが早くなる。

  2. 消費電力の低減(約15〜25%DOWNの目安)
     熱交換効率の改善で、同じ設定温度でもムダ運転が減る。

  3. ニオイ・カビの除去
     カビ臭・酸っぱい臭いが消え、室内空気がクリアに。

まとめ

「分解洗浄」は、見える部分だけでなく、空気を作る“心臓部”をリセットする作業。
外から拭くだけでは取れない汚れを、洗剤と高圧水で徹底除去し、乾燥・防カビまで行うことで、風量回復・節電・ニオイ対策を一度に実現します。
家庭では手が届かない内部を安全に洗うには、専門知識と専用機材を持つプロへの依頼が最も確実。半年〜1年に一度の分解洗浄で、エアコンを長持ち&快適に使いましょう。

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